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インドへ旅に出る前日
思い出しました。

ぼくがインドへ旅に出る前日、用意していたナップサックの中身をみて彼女が言ったのです。
「こんな小さいハサミ何に使うの?」
何を言っているのだろうこの娘は。ぼくが小さいハサミでまつ毛でも揃えるとでもいうのだろうか。
「 何?って、鼻毛を切るに決まってるじゃん
一ヶ月以上旅するんだから鼻毛切らないとバカボンパパのようになるやんか。」
そう答えたけれど、どうも???マークを頭の上に泳がせてる様子からして彼女にはうまく伝わってない
「ええと、どうも上手に伝達することが出来なかったようだから一から説明しますけどよろしいですか。
あの、、鼻毛って知ってますよね、ハナゲ。この鼻の穴から変なゴミを体内に取り込まないように
取り付けられているこの黒い毛のことなんですが。それをですね、このハサミで切・・・」
「抜いたらええやん。」
彼女は真顔で答えました。
そして続けて「そんなん抜いたらええやん。明日からインドに行くんやろ?そんな国でちまちまハサミで鼻毛切ったりするん? そんなん手で抜いたらええやん。」
手で抜く・・。そんなお野蛮なお下品なお行為を・・。
その当時のぼくは鼻毛を手で引っこ抜くという発想すらありませんでした。
鼻毛って引っこ抜けるの・・?
そして、
ぼくはインド滞在の一週間目にはハサミを無くしていました。確かカシミールあたりだったと思います。
バカボンパパも悪くないなあ、なんて思っていた時先の彼女の言葉を思い出しました。
『抜いたらええやん』
その雪の降る(カシミールは雪でした)インドの最北端の湖に浮かんだボート(家)の暗い部屋でぼくは
人生のうちで三本の指に入る決断をしました。
よし。鼻毛を抜いてみよう。
こんな短い毛をひっぱって目が飛び出ないだろうか。もしくは鼻血がだらだらと出るんじゃないだろうか。
こんなところで鼻血だして1人志村コントやってもしょうがないけどなあ。
ぼくは決死の覚悟で右手で右の鼻にある鼻毛をつかみ、もう死んだっていいや、なんていう訳の解らない
心情で思いっきり引っこ抜いてみました。
ぶちぶちぶちっ。
「いたーっ!いたいいたい!」
その空間はしばらくの間、神々しい静けさに包まれていました。
ぼくは聡明な表情でおだやかに何かを達成した充実感で満たされてつぶやきました「世界はうつくしい・・」と。
一皮向けたぼくは少しばかり大人になった気がしました。
でもこれは人生最大の決意だった『お水の中でおめめを開ける』は超えられなかった。
その鼻毛抜きを教えてくれた彼女はインド出発の時に
「何?その地味な格好。せっかくインド行くんやったら派手な格好でアピールせなあかんやん。
もうはじめから気持ちで負けてるで。」
ぼくのささやかな「少しでも悪徳の人間に騙されないような格好で旅をする」という旅人の常識、いろは
の「い」も彼女のセリフで変えられて、オレンジの目立つピカピカの格好で行くことになり、それが
原因で様ざまな困難を極める出来事に遭遇する羽目になりました。
そしてその彼女が、現在のぼくの妻なのです。

ぼくがインドへ旅に出る前日、用意していたナップサックの中身をみて彼女が言ったのです。
「こんな小さいハサミ何に使うの?」
何を言っているのだろうこの娘は。ぼくが小さいハサミでまつ毛でも揃えるとでもいうのだろうか。
「 何?って、鼻毛を切るに決まってるじゃん
一ヶ月以上旅するんだから鼻毛切らないとバカボンパパのようになるやんか。」
そう答えたけれど、どうも???マークを頭の上に泳がせてる様子からして彼女にはうまく伝わってない
「ええと、どうも上手に伝達することが出来なかったようだから一から説明しますけどよろしいですか。
あの、、鼻毛って知ってますよね、ハナゲ。この鼻の穴から変なゴミを体内に取り込まないように
取り付けられているこの黒い毛のことなんですが。それをですね、このハサミで切・・・」
「抜いたらええやん。」
彼女は真顔で答えました。
そして続けて「そんなん抜いたらええやん。明日からインドに行くんやろ?そんな国でちまちまハサミで鼻毛切ったりするん? そんなん手で抜いたらええやん。」
手で抜く・・。そんなお野蛮なお下品なお行為を・・。
その当時のぼくは鼻毛を手で引っこ抜くという発想すらありませんでした。
鼻毛って引っこ抜けるの・・?
そして、
ぼくはインド滞在の一週間目にはハサミを無くしていました。確かカシミールあたりだったと思います。
バカボンパパも悪くないなあ、なんて思っていた時先の彼女の言葉を思い出しました。
『抜いたらええやん』
その雪の降る(カシミールは雪でした)インドの最北端の湖に浮かんだボート(家)の暗い部屋でぼくは
人生のうちで三本の指に入る決断をしました。
よし。鼻毛を抜いてみよう。
こんな短い毛をひっぱって目が飛び出ないだろうか。もしくは鼻血がだらだらと出るんじゃないだろうか。
こんなところで鼻血だして1人志村コントやってもしょうがないけどなあ。
ぼくは決死の覚悟で右手で右の鼻にある鼻毛をつかみ、もう死んだっていいや、なんていう訳の解らない
心情で思いっきり引っこ抜いてみました。
ぶちぶちぶちっ。
「いたーっ!いたいいたい!」
その空間はしばらくの間、神々しい静けさに包まれていました。
ぼくは聡明な表情でおだやかに何かを達成した充実感で満たされてつぶやきました「世界はうつくしい・・」と。
一皮向けたぼくは少しばかり大人になった気がしました。
でもこれは人生最大の決意だった『お水の中でおめめを開ける』は超えられなかった。
その鼻毛抜きを教えてくれた彼女はインド出発の時に
「何?その地味な格好。せっかくインド行くんやったら派手な格好でアピールせなあかんやん。
もうはじめから気持ちで負けてるで。」
ぼくのささやかな「少しでも悪徳の人間に騙されないような格好で旅をする」という旅人の常識、いろは
の「い」も彼女のセリフで変えられて、オレンジの目立つピカピカの格好で行くことになり、それが
原因で様ざまな困難を極める出来事に遭遇する羽目になりました。
そしてその彼女が、現在のぼくの妻なのです。